カワイピアノ

 

中村洋子 
平均律 第1巻 3番 アナリーゼ講座

中村洋子

2016年6月29日(水)
10:00〜12:30

平均律1巻3番は 当時の革新的な調性、異名同音調Chopin「雨だれ」の源泉

講師 中村洋子
会場 カワイ名古屋2F 
コンサートサロン「ブーレ」
受講料 音研会2,500円 
会員3,000円 
一般3,500円 学生1,000円
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お問合せ・
お申し込み先
カワイ名古屋
TEL:052-962-3939 
FAX:052-972-6427

詳しくはこちらをご覧ください。[PDF 346KB]

★初夏の早朝、飛び立っていくハミングバード(蜂雀)の羽音のような「平均律クラヴィーア曲集第1巻3番 Prelude Cis-Dur」は、調号に「♯」が7つある、Bachの時代には極めて珍しい、革新的な調性です。しかし、難解な曲ではなく、生きていることの愉悦を表現しているような曲です。 Bachは、「フリーデマン・バッハのためのクラヴィーア小曲集」で、平均律1巻の前半(7番を除く)11曲のPreludeを、当時9歳を過ぎたばかりの長男のレッスン用にまとめています。

★そのうち、5、6、10番は平均律の前半のみですが、3番はほとんど省略せずに、フリーデマンに与えています。
子供にも、3番 Preludeを楽しみながら弾いて欲しかったのでしょう。
子供でも容易に弾けるようにするために、どのように勉強したらよいのか、そのカギは、やはり、Bachの「Manuscript Autograph 自筆譜」にあります。

★心が躍るような軽やかな曲想は、途切れることなく、3番 Fugaに引き継がれていきます。
この曲を理解し、容易に弾くためには、和声の理解が、欠かせません。講座で、分かりやすく詳しくご説明いたします。

★Frederic Chopin ショパン(1810-1849)と、Bartók Béla バルトーク(1881-1945)の両天才が、この曲につけたFingeringを見ますと、両者がFingeringで意図しようとしたことが、驚くほど似ています。天才を知るのは、天才だけなのでしょうか。
そのFingeringの意図を理解いたしますと、霧の中から建物が浮かび上がってくるように、演奏が、立体的に表現されます。

★Chopin ショパンの「雨だれ」(前奏曲Op.28-15)は、Des-Dur変ニ長調です。Cis-Durと異名同音調です。
「雨だれ」と、平均律1巻3番 Preludeとは、非常に多くの共通点をもっています。

★「雨だれ」の源泉は、実は、Bachの平均律1巻3番なのです。
その点につきましても、Chopinの「Manuscript Autograph 自筆譜」を、参照しながら、お話いたします。


【プロフィール】中村洋子 Nakamura Yoko
東京芸術大学作曲科卒。作曲を故池内友次郎氏などに師事。日本作曲家協議会・会員。ピアノ、チェロ、室内楽など作品多数を発表。

2003年〜05年:アリオン音楽財団《東京の夏音楽祭》で新作を発表。

07年:自作品「Suite Nr.1 für 無伴奏チェロ組曲 第1番」などをチェロの巨匠Woiggang Boettcherヴォルフガング・ベッチャー氏が演奏したCD『W.Boettcher Plays JAPAN ヴォルフガング・ベッチャー日本を弾く 』を発表。

08年:CD『龍笛&ピアノのためのデュオ』、CD『星の林に月の船』(ソプラノとギター)を発表。

08〜09年:「Open seminar on Bach Inventionen und Sinfonien Analysis インヴェンション・アナリーゼ講座」全15回を、KAWAI表参道で開催。

09年:「Suite Nr.1 für Violoncello 無伴奏チェロ組曲 第1番」を、ベルリン・リース&エアラー社「Ries & Erler Berlin」から出版。

10〜12年:「Open seminar on Bach Wohltemperirte ClavierT Analysis 平均律クラヴィーア曲集 第1巻 アナリーゼ講座」全24回を、KAWAI表参道で開催。

10年:CD『Suite Nr.3&2 für Violoncello 無伴奏チェロ組曲 第3番、2番』Wolfgang Boettcher演奏を発表。「Regenbogen-Cellotrios 虹のチェロ三重奏曲集」をドイツ・ドルトムントのハウケハック社 Musikverlag Hauke Hack Dortmundから出版。

11年:「10 Duette für 2 Violoncelli チェロ二重奏のための10の曲集」を、ベルリン・リース&エアラー社「Ries&Erler Berlin」から出版。

12年:「Zehn Phantasien für Celloquartett(Band 1,Nr.1-5)チェロ四重奏のための10のファンタジー(第1巻、1〜5番)」を、Musikverlag Hauke Hack Dortmund社から出版。

13年:CD『Suite Nr.4&5&6 für Violoncello 無伴奏チェロ組曲 第4,5,6番』Wolfgang Boettcher演奏を発表。「Suite Nr.3 für Violoncello 無伴奏チェロ組曲 第3番」を、ベルリン・リース&エアラー社「 Ries & Erler Berlin」から出版。スイス、ドイツ、トルコ、フランス、チリ、イタリアの音楽祭で、自作曲が演奏される。

14年:「Suite Nr.2,4,5,6 für Violoncello 無伴奏チェロ組曲 第2、4、5、6番 」の楽譜を、ベルリン・リース&エアラー社 「Ries&Erler Berlin」から出版。SACD 『Suite Nr.1,2,3,4,5,6 für Violoncello 無伴奏チェロ組曲 第1、2、3、4、5、6番』を、「disk UNION」社から、≪GOLDEN RULE≫レーベルで発表。スイス、ドイツ、トルコ、フランス、チリ、イタリアの音楽祭で、自作品が演奏される。

16年:ドイツの「ベーレンライター出版社」が刊行した J.S.バッハ(原典版)「ゴルトベルグ変奏曲」など、バッハ鍵盤作品の「序文」の日本語訳と「訳者による注釈」を担当。著書『クラシック音楽の真実は大作曲家の「自筆譜」にあり!』(DU BOOKS)を出版。 CD『 Mars 夏日星』を発表。

★SACD「無伴奏チェロ組曲 第1〜6番」Wolfgang Boettcher ヴォルフガング・ベッチャー演奏は、disk Union や全国のCDショップ、ネットショップで、購入できます。
http://blog-shinjuku-classic.diskunion.net/Entry/2208/
★*公式ブログ:「音楽の大福帳」

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